この週末の線状降水帯による風水害や最近の台風は
以前と比べて程度や規模が大きくなってきていると感じます。
旧来の金融商品から派生した新しい金融商品の一部ををデリバティブと呼びますが
その中で【天候デリバティブ】という商品が出ています。
これは天候により大きく収益が左右されたり経費が増大すると想定される業種や業界の企業が
天候による損失に備えて予め売買しておく商品です。
猛暑、冷夏、大型台風などの天候やそれに起因する風水害や地震などの
災害リスクを抑制できる商品です。
猛暑で需要が減る産業(ガス産業、医療.医薬品、テーマパーク、衣類等)と
需要が増える業界(ビール、エアコン、電力、外食、日焼け止めなど)利益が相反するものを
ストライク値(基準値)により互いに補填しあう契約という内容の商品です。
これは工業やサービスのみでなく冷夏や長雨による農作物の収穫量低下や
暖冬によるスキー場の閉鎖など様々な分野でおこる事象を大きく含み
収益が天候に大きく左右される事業のリスクマネジメントのひとつです。
地球温暖化への根本的対策ももちろん怠ることなく推進してゆくことが
喫緊の課題ではありますが
企業の安定を守るためにも必要なリスクマネジメントといえます。
ミニメモ:
これは江戸時代の米商人が飢饉や災害でおこる米相場の変動リスクに備えたことが
起源ともいわれています。