2021年07月05日

SDGsについて(1回目)

業界の動向や経済・環境対策、国際情勢など

当社を取り巻く環境の目まぐるしい変化に対応するためSDGsやカーボンニュートラルシフト、

オープンイノベーション、コ・クリエーションなどについてハイパーコンペティションを

意識しながら未来ニーズを模索してゆきたいと思います。


7月3日、熱海の伊豆山で豪雨による土石流が発生しました。

7月5日現在も被害の人数など被害の把握が困難ということです。

被害を受けられた方には謹んでお見舞いを申し上げます。


SDGsってなんだろう?と17の目標を読んでも具体的に自分たちはどんな関りがあるのか

なんとなくピンときませんが

日々起こる出来事や身近な事象に置き換えてみると実感しやすくなると思います。




日本の国土は平野やそこをゆったりと流れる水量豊富な大きな河川の割合が少ないです。

そういった場所は水を確保しやすく開墾も容易、移動の便も良いので人気があり、

歴史上しばしば係争の種となってきました。

そうでない土地に住むには工夫や努力が必要でした。



当社は淡路島に本社があります。その淡路島のことについて調べてみました。



〈淡路島には多数のため池がある〉ということは島外の方にはあまり知られていません。

大小合わせるとその数は2万3000か所にも上ります。

これは兵庫県のため池の約6割、さらには全国のため池すべての約1割を占めます。


理由の一つは温暖な瀬戸内式気候ということが挙げられます。海を挟んでそこに見えている

大阪府と比較しても本当に雨が少ないなと感じます。特に夕立の少なさに驚きます。

もう一つは大きな河川がないということです。

(一級水系は存在せず、二級水系として諭鶴羽山地を水源とする三原川、洲本川があります。

これらの河川は流域面積が比較的大きく、貯水の機能を持つダムとして成相・北富士ダム、

大日・牛内ダム、本庄川ダム、猪ノ鼻ダム、竹原ダム、鮎屋川ダムなどがあります。)

ため池の数が多くなる最後の理由は特に今の淡路市において細い谷筋が入り組んだ急峻な

山間地が多いため、大きなため池の築造が困難なため谷筋をせき止めて必要な場所に

小さなため池(谷池)が数多く築造されたためです。


SDGsに 06【安全な水とトイレを世界中に】という目標があります。

これはなんとなく字面を眺めるとどこか遠くの砂漠地帯のことの様に思えるかもしれません。

でもこの項目はいま私たちが住んでいる日本の国で対策が必要とされている問題を含んでいます。

日本の中でも大きな平野に大きな河川を持つ地域と淡路島、特に北部では水の確保に対する

意識が大きく違います。

淡路島では大きな河川も貯水用のダムも少なく水不足で水道料金もかなり高めです。

1998年の明石海峡開通で本土導水となるまで渇水が多く、

平成6年には299日間も給水制限が続いたそうです。

水量が確保されても水質は浅井戸や表層水ではクリプトスポリジウム指標菌、

深井戸では鉄やマンガン、フッ素などが高濃度化、

ダム湖では富栄養化など原水水質は悪化の傾向をたどっているそうです。

安全に飲める水の確保は年々難しくなっています。


治山治水の面からみても

平成16年台風23号では諭鶴羽水源の洲本川水系が氾濫し島内ため池181か所が決壊。

これを教訓に台風や豪雨の前にあらかじめ、ため池の水位を下げておくことで

貯水力をあげて治水をおこなっています。

この治水取組により平成2610月台風19号では平成16年の台風より降雨量、

時間ともに観測史上最大量であったが、ため池の水量を事前に下げ

治水容量を高め洪水被害を軽減、農業被害も8分の1程度に抑えることができたそうです。


各市で内水氾濫(降雨が下水道や水路で処理しきれず溢れるもの)や

外水氾濫(河川の堤防が決壊などして河川よりあふれ出るもの)や

それらにより発生すると予測される土砂災害の恐れがある場所を地図で示した

ハザードマップが作成されています。


管理されたため池ではこうして治水が行われていますが

離農などで管理者が不在となるなど十分な維持管理がなされないため池は

予報できない豪雨などで堤体が決壊しやすく周囲にダメージを与える可能性があります。

これはSDGsの目標11【住み続けられるまちづくりを】にもリンクしてゆく内容です。


このようにSDGs目標を自分たちの住む町に置き換え考えて実感してみると

世界の状況にも想像力を働かせることができてゆくように思います。

少しずつ、想像の輪をひろげて行けたらいいなと思います。



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